巨大ブラックホールの活動期を捉えた、強力なガンマ線フレア
2024年12月13日、大阪公立大学は、超大質量ブラックホール「M87」のジェットから、強力なガンマ線フレアを検出したと発表しました。
観測の背景
M87は、おとめ座銀河団の中心にある超大質量ブラックホールで、巨大なジェットを放出しています。2019年、イベント・ホライゾン・テレスコープ(EHT)によるM87の最初の画像が公開され、ブラックホールの影が捉えられました。
多波長観測
今回の研究では、EHTとさまざまな波長帯の望遠鏡を用いた多波長観測が行われました。EHTは電波望遠鏡を結び付け、ブラックホールの至近距離を観察するプロジェクトです。一方、ガンマ線観測にはフェルミガンマ線宇宙望遠鏡が用いられました。
ガンマ線フレアの検出
2020年3月下旬、EHTチームはM87から大量の電波放出を観測しました。ほぼ同時に、フェルミガンマ線宇宙望遠鏡は強力なガンマ線フレアを検出しました。このガンマ線フレアは、ブラックホールのジェットが近くにあるガスと相互作用したときに発生したと考えられています。
ブラックホールの活動期の解明
この観測は、超大質量ブラックホールの活動期に関する重要な知見をもたらしました。ガンマ線フレアとEHTの電波画像を組み合わせることで、ブラックホールのジェットがどのように形成され、どのようにエネルギーが放出されるかについて理解を深めることができます。
将来の研究
大阪公立大学では、引き続きEHTと他の望遠鏡を使ったM87の観測を続ける予定です。これらの観測により、超大質量ブラックホールの性質と、それらが銀河の進化に果たす役割の解明が期待されています。
関連情報
- 大阪公立大学プレスリリース:https://www.upc-osaka.ac.jp/ja/news/2024/12/13_01.html
- イベント・ホライゾン・テレスコープ(EHT):https://eventhorizontelescope.org/
- フェルミガンマ線宇宙望遠鏡:https://fermi.gsfc.nasa.gov/
M87のジェットから強力なガンマ線フレアを検出〜EHTと多波長観測が捉えた巨大ブラックホールの活動期〜
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