大阪公立大学、廃棄物から作る再生液肥のリン含有量を大幅向上
大阪公立大学は2024年12月9日、廃棄物を利用して作る再生液肥のリン含有量を大幅に向上させることに成功したと発表しました。この研究成果は、循環型次世代農業の発展に期待が寄せられます。
廃棄物から再生液肥へ
リンは植物の生育に不可欠な栄養素ですが、自然環境に存在する量は限られています。そのため、従来はリン鉱石を採掘して化学肥料として利用してきました。しかし、リン鉱石の枯渇が懸念されており、安定的なリン資源の確保が課題となっています。
そこで大阪公立大学では、廃棄物から再生液肥を作る研究に取り組んでいます。廃棄物には、家畜の糞尿や生ごみなど、リンを豊富に含むものが多くあります。
リン含有量の向上
今回の研究では、廃棄物から作った再生液肥に微生物を利用してリンを抽出する方法を開発しました。微生物は廃棄物に含まれる有機物を分解してリンを溶解し、抽出することができます。
この方法により、再生液肥のリン含有量は従来の約2倍にまで向上しました。これにより、化学肥料の使用量を低減しつつ、作物の生育に必要なリンを供給できるようになります。
循環型次世代農業へ
再生液肥のリン含有量向上は、循環型次世代農業の発展につながると期待されています。廃棄物を資源として利用することで、新たなリン資源の確保と環境負荷の低減が図れます。
また、再生液肥は土壌の健康状態を改善し、作物の収量向上にも貢献すると考えられています。
大阪公立大学の研究は、持続可能で環境に優しい農業を実現するための重要な一歩となります。今後も廃棄物利用技術の研究が進められ、循環型社会の構築に貢献していくことが期待されています。
廃棄物から作る再生液肥のリン含有量を大幅向上 循環型次世代農業の発展に期待
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