富山大学が光で脳内の記憶力を向上させる新技術を開発
公開日： 2024年12月4日 01:00
富山大学は、光を使用して脳内のcGMPシグナルを操作する新しい技術を開発しました。この技術により、記憶力を局所的に増強することができる可能性があります。
cGMPとは？
cGMPは、細胞内でシグナル伝達に関与する分子です。脳においては、記憶形成に関与することが知られています。
従来の技術の課題
従来のcGMP操作技術では、脳全体に影響を与えるため、特定の領域を標的にすることが困難でした。そのため、副作用や記憶障害を引き起こす可能性がありました。
新技術の特徴
富山大学の開発した新しい技術は、光遺伝学的手法を使用しています。光遺伝学では、光に応答するタンパク質を使用して、特定の細胞の活動を制御できます。
この技術では、光に応答する酵素「cGAP」を脳細胞に導入します。光を照射することでcGAPが活性化され、細胞内のcGMP濃度を局所的に下げることができます。
記憶力の向上
研究では、海馬と呼ばれる記憶形成に重要な脳領域において、cGMP濃度を下げる操作を行いました。その結果、空間記憶において有意な記憶力の向上を確認しました。
応用可能性
この技術は、記憶障害の治療や認知機能の向上に役立つ可能性があります。また、記憶メカニズムの解明にも貢献することが期待されています。
関連情報
- 富山大学プレスリリース：https://www.u-toyama.ac.jp/news/press/2024/12/20241204_166700.html
- 光遺伝学の仕組み：https://www.sciencedirect.com/topics/neuroscience/optogenetics
光で脳内cGMP シグナルを操作する新技術の開発：局所的なcGMP 量操作で記憶力の増強を実現
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