賃金は2022年の下落傾向から回復、国連機関が発表
国連の国際労働機関（ILO）は、世界の賃金が2022年に記録されたマイナス成長から回復し始めていると発表しました。
回復の兆し
ILOの「賃金レポート2022-23」によると、2023年の世界の賃金成長率は2.6％と予想されています。これは、2022年の1.6％から上昇しています。
主な原因
賃金の回復は、次のような要因によるものです。
- インフレの鈍化
- 労働市場の逼迫
- 政府の賃上げ政策
地域別動向
賃金の回復は地域によって異なります。具体的には：
- アジア太平洋：賃金成長率は3.6％と最も高い。
- ヨーロッパ：賃金成長率は2.2％と中程度。
- アメリカ：賃金成長率は2.1％と比較的低い。
懸念事項
ILOは、賃金回復の動向は依然として懸念事項があることを指摘しています。
- 生活費の上昇を相殺できない可能性：多くの地域でインフレ率が依然として高く、賃金上昇が生活費の上昇に対応できない可能性があります。
- 不平等：賃金回復はすべての労働者に平等に恩恵をもたらしているわけではなく、不平等が拡大する可能性があります。
- 経済的逆風：戦争や景気後退などの経済的逆風が賃金回復に影響を与える可能性があります。
雇用主への勧告
ILOは雇用主に、以下のような措置を講じるよう勧告しています。
- 賃金引き上げによる従業員の生活費の上昇を支援する。
- 生活賃金制度を採用し、すべての労働者に最低限の生活水準を確保する。
- 従業員のスキルトレーニングとキャリア開発に投資し、将来の賃金上昇を促進する。
政策立案者への勧告
ILOは政策立案者に対して、次のような措置を講じるよう勧告しています。
- 賃金政策を通じて労働者の購買力を維持する。
- インフレ管理を通じて賃金上昇と生活費の上昇のバランスを取る。
- 社会的セーフティネットを強化し、経済的逆風から労働者を保護する。
国連機関は、賃金回復が継続し、すべての労働者がその恩恵を受けられることを確実にするために、さらなる取り組みが必要だと強調しています。
Wages are recovering after negative shift in 2022, says UN labour agency
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