ユーロスペース機関、宇宙望遠鏡「Euclid」を打ち上げ
英国宇宙局が2024年11月27日15:24に、欧州宇宙機関（ESA）の宇宙望遠鏡「ユーロクリッド」を打ち上げました。
ユーロクリッドとは
ユーロクリッドは、宇宙の暗黒エネルギーと暗黒物質の性質を調査するために設計された光学および近赤外線宇宙望遠鏡です。暗黒エネルギーは宇宙の膨張が加速している原因とされており、暗黒物質は宇宙における物質の約85%を占めながらほとんど見えない謎の物質です。
科学的目標
ユーロクリッドの科学的目標は、次のとおりです。
- 宇宙の膨張の歴史をマッピングし、暗黒エネルギーの性質を調べる。
- 宇宙の大規模構造の成長を研究し、暗黒物質の分布をマッピングする。
- 数十億年前の銀河の進化を調査する。
望遠鏡の機能
ユーロクリッドは、光学と近赤外線の観測能力を備えています。主反射鏡の直径は1.2メートルで、視野は0.5平方度です。2つの科学機器を搭載しています。
- VIS（可視光器）：光学バンドで観測を行う。
- NISP（近赤外線分光計）：近赤外線波長で観測を行い、銀河の距離や運動を測定する。
ミッションのタイムライン
ユーロクリッドは、アリアン5ロケットでギアナ宇宙センターから打ち上げられました。約10分間の飛行の後、望遠鏡は地球の周りを回るリサジュー軌道に投入されました。約3か月間の軌道調整を経て、太陽-地球系の第二ラグランジュ点（L2）に到達する予定です。L2は、地球と太陽の重力相互作用がバランスしている安定したポイントです。
ユーロクリッドの観測ミッションは、2024年から6年間の予定です。
期待される成果
ユーロクリッドのミッションは、暗黒エネルギーと暗黒物質に関する重要な洞察を提供し、宇宙の理解を深めることが期待されています。また、将来的に計画されているより大規模なミッションの基礎となる貴重なデータを提供します。
関連情報
- ESAのユーロクリッドウェブサイト：https://www.esa.int/Science_Exploration/Space_Science/Euclid
- UK Space Agencyのウェブサイト：https://www.gov.uk/government/organisations/uk-space-agency
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