円借款でバングラデシュのインフラ整備を支援
国際協力機構（JICA）は、2024年11月27日、バングラデシュ向け円借款貸付契約の調印を行いました。この円借款は、鉄道専用橋の建設と下水道の整備を支援するもので、輸送ネットワークの効率化と生活・衛生環境の改善に貢献します。
鉄道専用橋の建設
この円借款は、バングラデシュ北西部ラジシャヒ管区を流れるパドマ川に鉄道専用橋を建設することに充てられます。パドマ川はバングラデシュの主要河川で、現在、鉄道はフェリーによって川を横断していますが、フェリーの運行がしばしば遅延や欠航を引き起こし、輸送効率が低下しています。
鉄道専用橋の建設により、フェリーへの依存が解消され、鉄道輸送の安定化と輸送時間の短縮が期待されます。また、同橋は、バングラデシュの重要な輸出港であるモングラ港と北部の産業地帯を結ぶ主要ルートの一部となるため、経済活動の活性化にもつながります。
下水道の整備
円借款はまた、バングラデシュ南部の港湾都市チッタゴンに下水処理場と下水道網を整備することに充てられます。チッタゴンは、人口約800万人を抱えるバングラデシュ第2の都市ですが、下水道整備が遅れており、都市部では未処理の汚水が河川や水路に流出しています。
下水処理場と下水道網の整備により、河川や水路の水質が改善され、地域の生活環境や衛生状態が向上します。さらに、汚染水が流出することで水質汚染が引き起こされるカルナフリ川河口域の水環境保全にも貢献します。
バングラデシュの開発に寄与
この円借款は、バングラデシュのインフラ整備を促進し、経済成長と国民生活の向上に寄与することが期待されています。JICAは今後も、バングラデシュの持続可能な発展を支援していきます。
バングラデシュ向け円借款貸付契約の調印：鉄道専用橋の建設による輸送ネットワークの効率化と連結性強化への貢献、及び下水道の整備による生活・衛生環境の改善と水環境の保全への貢献
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