新潟県、松くい虫に強い苗木の植栽を開始
新潟県は、県が研究してきた松くい虫に強い県産抵抗性クロマツ苗木を初めて植栽します。植栽は2024年11月18日午前2時から、佐渡市の羽茂大崎山国有林で行われます。
松くい虫被害の深刻化
松くい虫は、クロマツやアカマツなどのマツ類に寄生する害虫です。松くい虫はマツの木に侵入すると、導管を詰まらせ、樹木が水分や養分を吸い上げられなくなり、枯死させてしまいます。
新潟県では、松くい虫の被害が深刻化しています。県内のマツ林の約2割が被害を受け、被害面積は全国ワースト2位となっています。
抵抗性クロマツ苗木の開発
新潟県では、松くい虫被害の拡大を防ぐため、抵抗性のあるクロマツ苗木の開発に取り組んできました。抵抗性クロマツは、松くい虫が寄生しても枯死しない性質を持っています。
県は、樹齢50年以上のクロマツの中から、松くい虫に対する抵抗性を持つ個体を選抜し、その個体を増殖させることで、抵抗性苗木を開発しました。
植栽計画
今回植栽される苗木は、抵抗性苗木の中でも特に優れた個体から育成されたものです。苗木は、羽茂大崎山国有林の約1ヘクタールの敷地に植栽されます。
植栽した苗木は、今後10年以上にわたってモニタリングされ、松くい虫に対する抵抗性や成長具合などが調査されます。
期待される効果
抵抗性クロマツ苗木の植栽により、以下の効果が期待されます。
- 松くい虫被害の拡大防止
- マツ林の保全
- 山林の土砂崩れ防止
新潟県では、今回の植栽を皮切りに、県内各地に抵抗性クロマツ苗木の植栽を拡大していく予定です。これにより、松くい虫被害の抑制とマツ林の保全を目指します。
県が研究を進めてきた松くい虫に強い県産抵抗性クロマツ苗木が初めて植栽されます
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