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神戸大学、寄生虫の「延長された表現型」に対する進化的トラップの可能性 –-ハリガネムシ類に感染したカマキリは水平偏光に引き寄せられて道路を歩く-–

神戸大学が寄生虫の「延長された表現型」による進化的なトラップを発見

神戸大学は、2024年11月8日午前2時に「寄生虫の『延長された表現型』に対する進化的トラップの可能性 – ハリガネムシ類に感染したカマキリは水平偏光に引き寄せられて道路を歩く」という研究成果を発表しました。

「延長された表現型」とは?

「延長された表現型」とは、寄生虫が宿主の表現型(特徴や行動)に及ぼす影響のことです。寄生虫が宿主の行動を操作し、自分の生存や繁殖に有利になるように変化させます。

ハリガネムシ類

ハリガネムシ類は、カマキリなどの昆虫に寄生する線虫の一種です。ハリガネムシに感染したカマキリは、通常とは異なる奇妙な行動を示すことが知られています。

研究成果

神戸大学の研究チームは、ハリガネムシ類に感染したカマキリが、道路のアスファルト面に反射した水平偏光に引き寄せられて歩くことを発見しました。この行動は、ハリガネムシの幼虫が水中で成虫に成熟するため、カマキリを水辺に導くためだと考えられます。

しかし、道路はカマキリにとっては危険な場所で、車にはねられたり、熱により死亡したりするリスクがあります。つまり、ハリガネムシの操る行動は、カマキリにとって「進化的なトラップ」になっているのです。

関連情報

  • この研究成果は、科学誌「BMC Biology」に掲載されました。
  • ハリガネムシ類は、世界中の淡水環境に生息しています。
  • カマキリの他にも、イナゴやハエなどの昆虫に寄生します。

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