小峰ひずみ氏と雨宮処凛氏が対談「今の日本社会を敢えて”悪口”で語ろう」
2024年10月28日、河出書房新社は『悪口論』（百万年書房）と『難民・移民のわたしたち』（河出書房新社）のW刊行を記念した対談イベントを開催しました。
このイベントでは、『悪口論』の著者である小峰ひずみ氏と、『難民・移民のわたしたち』の著者である雨宮処凛氏が対談。現代の日本社会に渦巻くさまざまな問題について、あえて「悪口」を言うことの意義や、排除や差別を生み出す構造について語り合いました。
「悪口」が社会を変化させる可能性
小峰氏は、「悪口は、社会の閉塞感を打破し、問題提起を行うための有効な手段になり得る」と主張しています。現在の日本社会では、本音で意見を言うことが憚られ、問題が放置されがちですが、悪口を言うことで、タブーを破り、議論を喚起することができます。
一方、雨宮氏は、「悪口は、差別や排除を正当化する危険性も孕んでいる」と指摘しています。悪口が特定の個人やグループを攻撃するために利用されると、社会的対立を煽り、さらなる差別を生み出す可能性があります。
排除と差別を生み出す構造
対談では、現代の日本社会における排除と差別を助長する構造についても議論されました。雨宮氏は、「日本には、難民や移民に対して『内なる他人』という認識があり、彼らを社会から排除する傾向がある」と指摘しています。
小峰氏も、「日本社会には、均質性を重視する同調圧力が強く、異なる意見や価値観を排除しようとする風潮がある」と述べています。この同調圧力は、少数派や弱者に対する差別を生み出し、社会の多様性を損なっています。
問題提起と対話の必要性
両氏は、現代の日本社会の問題を克服するためには、問題提起と対話が不可欠であると強調しました。
悪口を言うことを恐れるのではなく、本音で意見を交わし、社会の閉塞感を打破する必要があります。また、差別や排除を生み出す構造を理解し、それを解体するための努力を続けていくことが求められています。
この対談は、現代の日本社会が抱える問題に正面から向き合い、その解決に向けて対話を促す有意義な機会となりました。
10/28 小峰ひずみ×雨宮処凛 「今の日本社会を敢えて”悪口”で語ろう」 『悪口論』（百万年書房） 『難民・移民のわたしたち』（河出書房新社）W刊行記念
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