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Computerナゼ動く0D

 12BH7Aという真空管が石川町駅そばのシンコー電機で売っていたので買ってみました。ネットで使い方を調べていると低電圧でも動作させている人が結構いることがわかりました。真空管イコール高電圧と思っていましたがそうでもないようです。せっかくDC-DC変換を発振器に付けたのですが低電圧でも動作するならその方が楽で良いです。アンプを作るわけではないので増幅率や歪はある程度無視します。

低電圧で真空管をスイッチングしてみた
低電圧で真空管をスイッチングしてみた

 7V位でもAND回路であれば動くことがわかりました。

真空管でAND回路を作ってみた
真空管でAND回路を作ってみた

 PCのLINE入力にはオペアンプを経由します。変な電圧がパソコンにかかっては大変です。

双三極管でAND回路を作った
双三極管でAND回路を作った

 ヒーター電圧12Vのところを7Vしかかけていないので点灯していませんが触ると熱くなっています。

測定用ステレオ1倍アンプ
測定用ステレオ1倍アンプ

 ステレオ入力の左に発振器の出力、右にAND回路の出力をつないでパソコンのAudacityで確認します。

ヒーターが温まるまで時間がかかる
ヒーターが温まるまで時間がかかる

 上が入力、下が出力です。AND回路には同じクロック信号を二つの入力に入れていますので、発振器側と同じくAND回路の出力につないだLEDが明滅します。

 ヒーターが熱くなるまで出力が出ないことが良くわかる絵になりました。

まだ出力に出てこない
まだ出力に出てこない

 ヒーターが暖まるにつれて出力が上がってきます。

真空管式AND回路の出力が歪む
真空管式AND回路の出力が歪む

 約2kHzのクロック信号ですがAND回路を出た後波形が崩れています。原因はわかりません。

双三極管でAND回路を作ってみた
双三極管でAND回路を作ってみた

 この時の回路図です。電圧が低いから波形が乱れたのでしょうか。

 カソードから出力を取っていたのですがここで大問題に気づきました。プレートに電圧をかけなくてもグリッドに電圧がかかるとカソード側に電流が流れるのです。上の回路図でいえばGNDに近い入力に電圧をかけるだけでプレートの電圧に関係なくカソード側に電流が流れLEDが明滅してしまいます。

 そもそもAND回路になっていませんでした。

プレート側の電圧を使う
プレート側の電圧を使う

 であればプレート側の電流を使えば良いと後に思いつたので早速試しました。

 ちゃんと二つの入力がONにならないと出力側のLEDが明滅しないことを確認できました。

プレート側からAND回路の出力を取る
プレート側からAND回路の出力を取る

 GNDから遠い方のプレートに電流が流れるかどうかがAND回路として成立するかどうかの条件になります。二つのグリッドに印加されない限り電流が流れないのでAND回路とし成り立っています。

抵抗を幾つか繋いで出力を調整
抵抗を幾つか繋いで出力を調整

 出力は抵抗を調整すれば変えられました。流れる電流が決まっているのでプレートにかける電圧とグリッドにかかる電圧とで上手く調整すればINとOUTを同じにできるでしょう。

プレート側から取った出力の立ち上がり
プレート側から取った出力の立ち上がり

 前と同じようにヒーターが暖まるまで出力が上がりません。真空管が熱電子を制御する素子であることが良くわかります。

プレート側の出力は波形が乱れない
プレート側の出力は波形が乱れない

 振幅が少し変わっていますが波形はかなり類似しています。目視では違いが分かりません。

AND回路へ入力するクロックを21kHzまで上げてみた
AND回路へ入力するクロックを21kHzまで上げてみた

 21kHzまでクロックを上げても大丈夫です。この真空管は可聴範囲よりもずっと高い周波数でも動きます。パソコンのLINEなのでAudacityは正弦波を表示していますが実際は矩形波が出ているでしょう。

  熱電子ではありますが電子の流れをこのように制御して論理回路を作ることができます。後は規模を大きくしていけば初歩的電子計算機を作れます。

 松下電子高槻工場で真空管の製造が停止されたのが1979年だそうです。この真空管はカラーテレビにも使用されていたので最後の方に作られたのかもしれません。既に前年の1978年にはIntel8086が発売されています。もう少し真空管を調べてみたいのですが目的から大きく外れてしまうのでここまでで実験を終えます。