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生体における情報処理

情報科学24 1982.10.8 発行

生体における情報処理
生体における情報処理

 「生物を合目的的な存在とみなすならば、生物はひとつのシステムである」

 「organismは有機体ととも訳されるが、この”機”とはからくりを意味する」

視覚のシステム

 外部から入った光を電気信号に変換し情報処理される。この時輪郭が強調される。

 静止しているもの、素早く動いているもの、全体をとらえた大まかなものの三つの系統がある。

「大脳の視覚中枢にある数億の細胞は、それぞれ超単純、単純、複雑、超複雑の反応性を持ち」

 脳の視覚中枢だけではなく2次元として反応、3次元として反応、色の反応というように複数の野で特徴抽出を行なっている。

 感覚器官でエネルギー変換を行いそれぞれの野で特徴を捉えて連合野で主観的に認識している。聴覚も同じように処理されている。

神経回路網の数理モデル

 「興奮パターンの競合と協調による相互作用が並列情報処理の原型」

 「入力繊維からからくるパルス頻度を表すアナログ量である」

 フィードバックすることにより興奮が持続し、興奮パターンの形で表される情報間の相互抑制による競合作用と、興奮性結合による協調作用が組み合わさって複雑な情報処理が実現されている。

 コグニトロン、ネオコグニトロンとは神経回路モデルで優秀な実験結果を残しているそうです。恐らく今でも進化していると思います。

人間の認知的情報処理

 感覚情報保存、短期記憶、長期記憶の説明が詳細にありますが、人工知能は人工なので記憶の保存期間を制限しなくてもよく、処理速度の長短の都合で分類した方がいいと思います。

遺伝と情報

 遺伝の仕組みは個々生物の仕組みというよりも種全体の巨大なシステムと捉えることができる。